杉並区のゴミ処分についての歴史

現在では、東京都のゴミ処分についての大きな問題はあまり見受けられませんが、一昔前にはゴミ処分を巡る社会問題があったことは知られておりません。

特に、東京都のゴミ処分の問題を巡っては杉並区に大きな関りがあるのです。

東京都のゴミ処分問題

1950年後半～1970年代にかけてのまさに高度経済成長期、東京都では日に日にゴミが多くなっていく状況がありました。

当時は、東京都のゴミは全て江東区のゴミ処理施設に送られている状況であり、今のような自治体ごとの処分が行われているわけではありませんでした。

当然ながら東京都全域のゴミが江東区に集まってくるわけですので、処理が追いつくわけもなく、そのゴミの扱いをどうするかという大きな社会問題が生じることにもなりました。

当初は、江東区のゴミ処分場で処理されたゴミを、江東区の埋立処分場に埋めて対処していましたが、処理量の増大に伴い、最終的には廃棄ゴミの7割が未処理のまま埋め立てられるような状況になっていきます。

その埋め立てによりできた地域が現在の新木場付近となる『夢の島』となります。

当然、当時は未処理ゴミをそのまま使用しての埋め立てだったため害虫の発生などの問題もあり大きな問題ともなりました。その後、一帯のゴミを燃やすなどして対処したという状況もあり、今では手つかずのままのゴミが埋まっているという状況とはなっていないのかもしれません。

詳しくは言及しませんが、このような状況があったためか、東京都には人口の島が非常に多いと考えられるのです。

少し話が脱線しましたが、これらの状況下で当時最も問題となったと考えられるのが、杉並区のゴミに対して対応でした。

杉並区の対応と江東区の反発

東京都のゴミ問題は、最終的に「自区内で出たゴミは、原則、自区内で処理すること。各々の区は責任持ってゴミ処分場を区内に作ること」という方針でまとまります。

しかし、ここで猛反発したのが杉並区です。

どちらの自治体でも大きな問題ではあったと考えられますが、杉並区では地元住民のゴミ処理場建設反対の大きな反発があり、江東区へのゴミの運搬が続くこととなります。

本来であれば、これらの東京都のゴミ問題は1970年には決着する見通しでしたが、状況が改善することも無く江東区へのゴミの搬入が続く影響もあり、夢の島への埋め立ては続くこととなります。

このような事態に、江東区では「杉並区からのゴミの搬入を拒否する」という行動に出ます。

すると、当時は各自治体で精力的にゴミ処理施設の建設を準備していたこともあり、持ち込み自体が完全に許可されていない状況ではなかったものの、杉並区からのゴミだけは突き返される結果となりました。

するとどうなったかというと、杉並区にはゴミが溢れ、臭いや虫などの問題に見舞われました。もちろん、当時は大きな問題でもあり、この騒動はテレビなどで大きく取り上げられています。

1982年に杉並清掃工場が稼働

杉並区では1978年に清掃施設の着工に入り、その4年後に完成となっています。当初の1970年の時点から考えると10年以上の時間が経過したことになります。

もちろん、どちらの自治体でも自区での処理が間に合わない場合には江東区のサポートを受けていたと考えられます。その間のゴミ処理に関しては引き続き江東区に依存していたということに他なりません。

長い年月を経て東京都のゴミ処理問題は一旦の決着が見られたわけですが、過去にこのような歴史があったということは覚えておく必要があるでしょう。

現在ではどうなのか？

自区内のゴミを自ら処理できているかといわれると決してそうではありません。地域によっては全ての処理施設を準備できていない自治体もあります。

地域にっては、現実的にゴミ処理場を建てることができるだけの場所が無かったり、杉並区のような問題もあったと考えられます。

しかし、地域ごとに協力をしてゴミ処理に取り組む姿勢などもあり、現在のような安定したゴミ問題への対処が実現しているのです。

例えば、清瀬市・東久留米市・西東京市では、3つの自治体で1つのゴミ処理施設を活用しています。この施設は、東久留米市に所在地があり、「可燃ゴミ」「不燃ゴミ」「粗大ゴミ」を持ち込むことが可能となっています。

このようにゴミ処理問題は簡単に解決するようなことではなく、それぞれの地域などの努力によって解決に至っている状況も生まれています。

過去の課題が今の問題に繋がっている

昨今では、よりゴミ問題への意識は高まっており、リサイクルやリユースも活発に行われています。

まだまだ地域によって個々のゴミの処分の方法が異なる部分もありますが、東京都では概ねどちらの地域でもゴミの処理や分別のルールは同じように整っています。

また、現在の杉並区のゴミ問題に対しての姿勢なども当時に比べると非常に厳しい姿勢がうかがえるため、当時の問題も現在に生きてきているのでしょう。

昨今ではSDGsのような、新たな取り組みや意識の変化も出てきていますが、これまでの歴史や経緯を知ることで、より一層のゴミ処理への関心が重要となってきているかもしれません。

普段の生活の中で、少しでもゴミ問題に対しての取り組みを行うことができれば、さらなる問題への貢献に繋がって行けるかもしれません。

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オオウチ

1994年生まれ。不用品回収歴は5年で、これまでに30,000件以上の不用品回収・ゴミ屋敷の片付けを担当してきました。チームで協力して迅速かつ丁寧な作業を心掛け、お客様に見積もりの説明を行う際には、分かりやすさに重点をおいて説明をさせて頂いています。また、お助けうさぎのYoutubeチャンネルで撮影も行っていますので「お助けうさぎYoutube」で検索してみてください。