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不用品別の処分方法東京都杉並区では、地域住民の生活・住環境を整備するための条例が制定されているのをご存じでしょうか?
条例は『杉並区生活安全及び環境美化に関する条例(安全美化条例)』となっており、平成15年10月01日から施行されています。
名称からも分かる通り、広く環境保全を目的とした条例となっており、ゴミ屋敷に特化した条例というわけではありません。
しかし、条例の内容としてはゴミ屋敷等の問題に関わる内容もあります。今回はそんな安全美化条例について、詳しく解説をしていきます。
杉並区生活安全及び環境美化に関する条例について
この安全美化条例は、全21条からなる条例となっています。
その内容は、環境面の内容を中心に広く制定されているものではありますが、中にはゴミ屋敷問題に関わる部分も出てきます。
それらについて、1つずつ確認して行きましょう。
※参考:安全美化条例による建築物(防犯設備)に関する協議について
※参考:杉並区生活安全及び環境美化に関する条例(安全美化条例)
条例第1条
こちらには、『環境美化の促進を図り安全で快適な街をつくることを目的とする』という記載があります。
「環境の美化」「安全で快適」という面からみると、ゴミ屋敷は条例に違反してくる場合があると考えられます。
条例第3条
主に、自治体としての目的についての記載があります。特に、区として意識的に活動をするとともに『安全で快適な地域社会を作るための環境整備をする』という内容となっています。
明確に「安全」「快適」と打ち出されているため、火災等など様々な二次災害が起こり得るゴミ屋敷も対象になることが考えられます。
条例第4条
こちらの4項と5項には、地域環境や第三者への影響を考え、不適切な状況下への言及があります。
まず、『電気器具その他の粗大ごみをみだりに公共の場所に捨ててはならない』との記載があり、所有地外にゴミなど影響が出ないようにと受け取ることができます。
また、『土地の所有者は、当該土地等を不良な状態、又は廃棄物を放置すること等により、周辺に居住する者の健康の保持もしくは生活環境の保全又は防犯上支障を生ずるおそれのある状態にしないように、適正に管理しなければならない。』とあります。
つまり、管理者は所有地内であっても正常かつ健全な状況に管理をしなくてはならないわけです。そして、これらの問題に対して自治体が実施する対応に協力をしなければならないという内容です。
条例第6条
内容としては住民等への直接の影響はありませんが、『関係行政機関は区が実施する対応に協力する』とあります。
つまり、区の方針に添って行政機関が動きますよというルールになっています。住民からの訴えがあればルールに則り行政も動くというわけです。
条例第9条
こちらには、『不良な状態の土地所有者が、疾病その他やむを得ない理由により、自ら草木の除去及び廃棄物の処理をすることができない場合は、これを区長に委託することができる。』とあります。
諸事情によりゴミ屋敷の問題を円滑に処理できない場合に、よりスームズに問題解決ができるように解決手段が設けられています。
条例第13条
環境美化の施策を実施する場合には、協議会を置き調査や審議を行うとされています。
該当する問題の程度の把握や状況の精査、区長への意見など、体制面のルール等が出てきます。
ゴミ屋敷問題についての取り組みもしっかり判断されるということになるでしょう。
条例第17条
この17条に書かれている内容が最も重要であり、ゴミ屋敷等の問題に密接に関わる内容となってきます。
まず、『問題のある土地等で改善・措置が必要と認める場所に立ち入り、その状況を調査したり、質問することができる。』と記載があります。
これにより、間接的にやり取りをしていた段階から、強制的に踏み入ることができるようになります。
次に、『生活環境を著しく害していると認める場合は、期限を定めて必要な改善・措置を命ずることができる。』『命令を受けたものが、正当な理由なくその勧告又は命令に従わない場合は、その旨を公表することができる。』
上記のように、土地の所有者に対して改善するように強く働きかけることができ、従わない場合には住人・土地所有者の氏名等の情報も公表されてしまいます。
最後に、『命令を反し履行がされない場合において、不履行を放置することが著しく公益に反すると認められる場合は、行政代執行法の規定により、住人や土地所有に代わって行政や第三者が改善・措置を実施することができ、その費用を義務者から徴収することができる。』となります。
つまり、ゴミ屋敷の改善・措置等の問題が一向に解決しない場合には、強制的に施策を実施できることになります。
また、行政代執行により掛かった費用について、住人・土地所有者(義務者)から徴収できることも定めていますので、ゴミ屋敷住人に請求されることとなります。
安全美化条例のポイント
『杉並区生活安全及び環境美化に関する条例(安全美化条例)』について、ゴミ屋敷が関わってくるポイントを簡単にまとめましたが、いかがでしたでしょうか?
こちらの条例は、直接的にゴミ屋敷の対応のみについて施行されている条例ではありませんが、一部の内容は明らかにゴミ屋敷等が対象になってくることが十分に理解できたかと思います。
条例の内容は幅広くカバーされている
条例の名称の通り、環境美化・整備を目的にしていることが分かるでしょう。
不法投棄・不法看板・ビラ撒き行為・路上喫煙(ポイ捨て)など、安全かつ安心できる環境を保全する目的の内容が多くを占めています。
杉並区のように、ゴミ屋敷問題が該当してくる内容で行政代執行が可能であり、且つその請求に関してまで言及されている状況はまだ一般的ではなく、他の地域の自治体では内容の過不足も目立ちます。
そのため、杉並区が施行しているこの条例は非常に良く出来ており、環境に関わるほとんどの問題をカバーできる素晴らしい条例となっています。
一部の内容は過料・罰金も定めている
ゴミ屋敷関係の問題に関しては罰則等は設けられていませんが、その他の環境に関わる迷惑行為等については、罰則が設けられているため、その実効性や影響力も大きいものと考えられます。
守らなければ罰金が生じると考えると、他の問題事例に対しても、条例の影響力や意識の変化が出てきそうです。
再発防止についての言及はない
今回の安全美化条例については、再発を防止するための影響力や支援やサポートについては特に記載はありません。
そのため、目先の問題への対処や今後に生じる可能性がある問題への抑止力となっている傾向が強いでしょう。個別の事案に対しての問題解決の手段として設けられている意味合いが強いかもしれません。
条例によるこれまでの課題
杉並区では、安全美化条例が施行されてから、条例の不備等による大きな問題等は特に起きていない状況です。
そのため、現時点でもゴミ屋敷等の問題がある事例に対しては、条例により十分な改善・措置を行えている状態といえます。
もし新たに問題が生じたとしてもルールを追加するだけで可決することが考えられるため、素晴らしい環境が整っていると考えられます。
杉並区としても厳しい条例施策を実施するわけではなく、そこに至るまでの通告・指導や勧告などを行っていくなど、問題解決に対しての力の入れ具合が表れているものと考えられますので、相談等もし易い環境が整っていそうです。
まとめ
今回はゴミ屋敷の問題に関わる杉並区の条例について解説をいたしましたが、いかがでしたでしょうか?
杉並区は非常い条例の整備が整っており、環境整備に厳しい地域ということがご理解いただけたかと思います。
もしも、ご自身がゴミ屋敷の当事者であった場合には、周辺地域の住人からの訴え等で杉並区から何かしらの指導などが入る場合もあるかもしれません。特に条例は強制力が強い面があるため、立ち入りや調査などをされる場合も考えられます。
今回ご紹介をしたような大きな問題にならないためにも、ゴミ屋敷もしくはゴミが溢れる環境が身近にある方は、少しでも良いので不要なゴミを処分することを検討してみてはいかがでしょうか?
様々な問題がより大きくならないためにも、日々の生活を見直しゴミ屋敷の問題を解決していただければと思います。
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『杉並区の不用品回収/粗大ゴミ回収業者なら【お助けうさぎ】』のページもご確認ください。